頭金はできるだけ多く用意した方が、将来の負担は少なく安心です。
しかし、金利の状況や、土地の価格の変動状況によっては、頭金をしっかり貯めてから家を建てるよりも
多少頭金が少なくても早めに建てる方が総支払い額が少なくて済むという場合もあります。
まずは、住宅ローンの基本と頭金について学んでいきましょう。
■頭金は30%程度あれば安心
多くの住宅ローンは建築費の80%を基準としています。住宅ローンでカバーできない部分は
「頭金」として現金を用意しなくてはいけません。また、頭金のほかにも、印紙税や不動産取得税、
引越し代などの諸費用も現金で支払う必要があるため、頭金は30%程度あれば
安心と言われています。
返済金額は下記の表の通り、頭金が少ないほど総返済額はアップします。
【例】3000万円の物件で35年返済金利3%の場合
頭金 |
毎月の返済金額 |
総返済額 |
頭金+総返済金額 |
【2割】 600万円 |
¥92,364 |
約3879万円 |
約4479万円 |
【3割】 900万円 |
¥80,818 |
約3394万円 |
約4294万円 |
【4割】 1,200万円 |
¥69,273 |
約2910万円 |
約4410万円 |
■こんな点に注意
頭金をしっかり貯めてから家づくりをスタートするのが理想ですが、
金利の上昇時は例外となるので、注意が必要です。借入金額にもよりますが、金利が1%高くなれば
毎月の返済額は5%ほどアップする計算となり、300万円程度の差が出る場合もあります。
■頭金を用意する際のポイント
妻や親、または祖父母から110万円以上の援助を受ける場合贈与税がかかるのですが、
資金を出し合い住宅を共同で使用する「共同名義」にすれば贈与税は発生しません。
また、二世帯住宅等、親と共同で住宅を建てる場合は、親子でローンを組める
「親子リレー返済」があります。70歳以上でもローンを申し込むことができ、35年の最長返済期間の
利用が可能になります。興味のある方は銀行等の窓口に申請可能かどうか確認してみてはいかがでしょうか。
住宅に関わるお金で、一番重要なポイントとなるのが、住宅ローンの金利です。
金利は一般的に、好景気の時には高くなり、不景気の時には低くなる傾向があります。
住宅ローンの金利は、「固定金利型」と「変動金利型」、「固定金利選択型」の3つに大きく分けられます。
■住宅ローンの金利 3タイプ
固定金利型 |
全期間金利が変わらない型。返済額が一定なので返済計画が立てやすい反面、変動金利より
金利が高めに設定されているのが特徴
※メガバンクなどの一部の民間住宅ローンやJA(農協) 「フラット35」等
|
変動金利型 |
半年ごとに金利が変わるものの、返済額は5年間一定で、6年目に見直される。その際も
増額1.25倍以内ですが、金利上昇時は返済額アップの場合もあります。 |
固定金利選択型 |
金融機関が決めた範囲内で金利を固定、その期間が長いほど、住宅ローン金利が高くなる
傾向があります。期間終了後は、変動金利型か同じ型を選ぶことになります。
※銀行の住宅ローン等、現在最も一般的なタイプ
|
次に、ローンの返済方法についてですが、毎月返済する住宅ローンの返済額の中には、最初に借りた元金分に
利息分が含まれています。それをどのような配分で返すかによって返済方法が異なります。
■返済方法は2種類あります
元金均等返済 |
元金を毎回一定額支払う方法で、金利支払い分は徐々に減少していくため、当初は
元利均等返済よりも負担が大きいですが、毎月返済額が減っていきますので、将来的な
支払いの負担は軽減されます。また、総返済額も若干お得なので、利息を少なくしたいなら
こちらの方法が良いと思います。 |
元利均等返済 |
元金と金利を均等に払う方法で、毎月の返済額を一定にする方法です。
分かりやすい方法で、当初の負担も軽くなりますが、総返済額は元金均等返済よりも
若干アップします。 |
■返済期間は1年でも短い方が有利です
返済期間は5年ごとに設定するのが決まりのように思われがちですが、どのローンも1年刻みの設定ができます。
例えば、借入金2000万 固定金利型3.0%の場合、返済年数を35年から1年短縮し、34年にすると月々の負担は
1300円増えるだけですが、総返済額は40万円も抑えることができます。
資金計画の上で、非常に重要となるのがローンの選択です。
現在は、民間金融機関が主体となりながら、公的なバックアップのある「フラット35」などが
注目されていますが、適用の条件に合うかという問題も有りますし、人気だからと言って
それがあなたにも適しているかどうかは分かりません。
現在、住宅ローンは銀行、生命保険会社、ろうきん、JAをはじめ、公庫廃止に伴い、
ノンバンクや不動産会社なども算入しています。
選択肢が増えるのは良い事なのですが、自分にあった正しいローンを選ぶのは
十分な知識と比較検討が必要です。
まずは、自分だけで決めずに建築設計事務所等、住宅の専門家に相談してみる事をお勧めします。
当社でも、現在の支払い可能金額や将来の見通しなど様々な条件をお聞きした上で
最適な住宅ローンを提案させて頂いております。
■一般的な住宅ローンの概要
銀行の住宅ローン |
銀行が扱っている住宅ローンは、「フラット35」などに比べ、住宅の条件や収入基準が
緩やかになっているのが特徴です。金利は変動金利型が基本ですが、固定金利選択型や
長期固定金利型など種類も豊富です。
また、銀行ごとに特徴のある商品や金利優遇キャンペーンなども展開しているので、しっかり
その内容と適用期間をしっかり確認して、情報収集を行うことが重要です。 |
JA(農協)の住宅ローン |
JA(農協)では、「あんしん計画」などの名称で長期の固定金利型住宅ローンを取り扱っています。
JAは農業を営んでいる人のための協同組合ですが、出資金を払えば組合員になれるので
サラリーマンでも利用することが可能。また、保証人は不要となっています。 |
フラット35 |
住宅支援機構と銀行などの民間金融機関との提携によって生まれた住宅ローンで
金利が返済終了まで固定化されています。
またこれには、機構が買い取る「買収型」と、機構は保証を行うだけで民間金融機関が
住宅ローン債権を独自に証券化する「保証型」の2タイプがあり、融資の上限は、
「買収型」が建築費の90% 「保証型」は100%となっています。 |
家を建てるという事は、人生の中でも非常に大きなイベントです。
自分のイメージする理想の家づくりを依頼するにあたって、どこに依頼すれば良いか
決め手が分からないという方も多いのではないでしょうか。
このページでは、建築設計事務所とハウスメーカーに依頼する場合の違いについてご説明致します。
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建築設計事務所に依頼する場合
【メリット】
住宅のオーダーメードという感覚に近く、細かい部分の
要望、こだわりにも柔軟に対応してもらえます。デザイン・見た目や使用する
素材等にこだわり自分好みに仕上げたいという方にはお勧めです。
事前に施行例等を見て、自分のイメージと合うかを判断できるのも
メリットです。
【デメリット】
細かい部分にこだわる事ができる分、建築士とのコミュニケーションを
密に取る必要があり、ハウスメーカー等のプラン商品を購入する場合より
打ち合わせなどの負担は増えます。
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ハウスメーカーに依頼する場合
【メリット】
企業規模への安心感も有り、ハウスプラン等の分かりやすい商品内容で
最小限の労力で住宅を手に入れる事ができます。
【デメリット】
建設のプランがパッケージのようにある程度決まっているため、
細かい部分にこだわるのは難しいです。
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人により考え方は様々ですので、一概にどちらが良いかという事は言えません。
「わが家に何を求めるのか」、「重視したい事は何か」という事が大きなポイントとなります。
住宅の建築相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい!
家を建てる事を考えるとき、住みたいエリアと、敷地の広さ、
価格等の条件だけで土地選びをしてしまいがちなのですが、
その他にも、確認しておいた方が良い重要なポイントがあります。
このページでは、よい土地、悪い土地の見分け方について紹介していきます。
1.土地の履歴を調べる
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現在は綺麗に造成された土地でも、昔どのように利用されていたのかは分かりません。
後から、昔は墓地だったとか、田んぼだったとか知っても後の祭り。事前に調べておくのが賢明です。
土地の履歴は、法務局の公図や登記簿で調べる事ができます。もちろん、不動産会社や
土地管理者に問い合わせても良いですし、建築設計事務所でも土地の履歴確認はしっかりと
行いますので、ご安心ください。
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2.近隣の状況を確認する
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購入しようと思う土地が見つかったら、現地に見学に行くと思いますが、その際、近隣の家の状況も
確認してみて下さい。それにより地盤の良しあしが確認できる事もあります。
・基礎や外壁、サッシ周辺にヒビ割れはないか?
・玄関ポーチ、ベランダの建物の継ぎ目に亀裂が発生していないか?
・擁壁が有る場合、ヒビ割れなどがないか?
等のポイントを見て下さい。あまりじろじろ見るのは良くないですが、許される範囲の情報収集だと思います。
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3.周辺環境をよく知る
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実際の周辺環境というものは、住んでみないとなかなか分からないもの。
治安や騒音の問題だけでなく、悪臭、大気汚染など家を建ててから、
思いもよらない事で頭を悩ませる事にならないためにも
日中だけでなく、朝や夜など様々な時間帯で確認すべきです。
小さな、お子様がいる家庭の場合は、学校への通学ルート等、子供の目線で危険な場所が
ないか考える事も重要です。
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【こんな土地に注意】 田んぼなどを埋め立てた土地
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田んぼ等をはじめ、埋め立てた土地は、地盤が軟弱である事が多く、地盤の問題で、大きな被害を呼ぶものが
「不同沈下」です。家全体が均等に沈むのではなく、建物が斜めに傾いて沈んだり、一部分だけが
沈むことをいいます。この影響で、建物にゆがみが出れば、基礎に亀裂が入る、窓が開けられない、
排水が流れないなどのダメージを建物に与えてしまいます。
また、土地の履歴を確認しなかった、安いという理由だけで、田んぼを埋め立てた土地を買った場合
実際に家を建てる際に、地盤の弱い土地を強化するため、通常よりもしっかりとした基礎を
つくる必要があり、基礎工事に大きな費用がかかってしまうと言う事もよくあります。
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【こんな土地に注意】 盛り土、切り土をした土地 |
山の斜面を削って平坦な土地をつくるのを「切り土(きりど)」といいます。しかしこの方法は、
地中の自然の水道や木の根等のバランスを崩してしまうので、地滑りなどが起こるリスクもあります。
一方、斜面など平坦でない部分に土を盛り、擁壁で押さえることで、平坦な土地を作る
「盛り土(もりど)」は、しっかりと固めないと不同沈下を起こします。
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このように、土地を選ぶ際は、注意すべき様々なポイントがあります。
住宅の建築を依頼したい建築設計事務所が決まっているのであれば、土地選びの時点から、
専門家の意見を聞くなど、相談するのも良いと思います。
弊社では、土地探しのサービスは行っておりませんが、相談にはいつでも無料で対応致しますので
お気軽にお問い合わせ下さい。